あれは小学生の頃。

何年生の時だったかは忘れてしまったけれど

私は一羽の雀と少し思い出がある。

学校帰りの事だった。

友人と別れて、一人で家まで帰っていた時…

坂道を下っている時だった。

一羽の雀が、何故か飛べずに

地面で必死にパタパタと暴れていた。

私はその姿を見て、素通り出来る訳がなかった。

私は雀を両手に乗せて、自宅の後ろの神社に

連れて行った。

まだ小学生だった私は、その雀が

お腹を空かせているのか、骨が折れているのか

あまり分からなかった。

とりあえず、雀が食べる米粒を与える為に

自宅に一度帰って、米粒を小さな袋に入れた後

神社に戻った。

食べてもらえるか不安だったが、与えてみると

まるで三日間、何も食べていなかったかのような

食べっぷりだった。

30粒程は食べたと思う。

それから数分後、雀にも変化が起きて

自分の足で立てれるようになったのだ。

それでもまだ、翼を使おうとはしなかった。

お腹が空いていたのかと私は安心して

野良猫や鷹に襲われない様な場所に

とりあえずは置いてあげた。

袋の中に余っている米粒も、近くに置いておいた。

 

次の日、もういないだろうけれど

もしいたら また米粒をあげようと

私は学校帰りに、また裏の神社へ足を運んだ。

けれど、やはり丸一日経っている訳なので

当然、雀の姿は見当たらなかった。

一羽、二羽と、他の雀はいたのだけれど

あの雀とは大きさが違っていたので

すぐに分かったのだ。

 

あれから12年程経っただろうか…

そんなに頻繁には思い出さないけれど

雀を見ると、時々思い出す。

あれからどうしていたのか

食べられてしまってはいないか

それとも元気になってどこかへ行ったのか。

私は、最近起こった出来事よりは

幼稚園の頃だったり、小学生の頃の記憶の方が

不思議と鮮明に思い出せる。

この時の出来事は、私にとっては

少し特別で温かい出来事だった。

f:id:tokiko720:20171009171428j:image