記憶

晴れた日の夜、空を見上げる事を

私はいつしか少しだけ避けるようになった。

三日の夜、洗濯物を取り込んでいる時だった。

私は、ふと夜空を見上げた。

いつもの私であれば、何よりも美しく見えていた

そして明日も晴れるといいなと願い

眠る前にはキャンドルを炊いていただろう。

しかし今は、星空を見る事もキャンドルを炊く事も

私にとっては苦痛でしかなくなっていた。

私達にどれほどの悲しい出来事があろうと

星達は お構い無しに美しく輝き続ける。

星空を見ていると、走馬灯の様に沢山の記憶が

幸せだった記憶が、切ない記憶が全て蘇る。

都合のいい事だけを思い出せない。

思い出したくない事も、封印している記憶も

全て蘇ってしまう。

それは全て、あの人との記憶。

今としては、本当に切ない景色。

私にとって、"綺麗"というだけではもう

済まされない景色。